【理系大学生/交換留学】芝浦工業大学 国際プログラムとは

謎が多い国際プログラム.留学をしたい高校生もしくは理系学生は,参考にしてください.また,年度ごとに条件等変化する恐れがありますので,詳細は,出所の正確な情報を参照してください.このプログラムで卒業した筆者の実体験を基に説明します.

初めに

トビタテ留学JAPAN 「データで見る日本の留学対象別の留学生数データ」 より引用し,一部改変

近年,グローバル化と世間では騒がれている中,実際にどれだけの大学生が海外に行っているでしょうか.上のグラフは,日本人留学生(大学生)の数の推移を示しています.コロナ前には,政府やニュースなどで留学生が増えているというのを耳にしますが,それは短期のみの話であり,蓋を開けてみると,中長期の留学生は,ほぼ横ばいです.また,このデータはコロナ前のデータなので,近年は極端に減っていると考えられます.理系学生なら尚更で,中長期の大半は文系であると予想できます.

政府や多くの大学が,グローバル化を謳っていますが,それは短期がほとんどで,中長期だと理系の場合難しいのが実情です.大きな理由としては,カリキュラムにあるのだと思います.文系と比べて専門科目や必修科目が多く,実験となれば,一回でも授業を休むと単位が降りないなど,そもそも,理系学生が留学に行く前提でカリキュラムが組まれていないことがほとんどです.留学を決意すると,一年休学したりすることが当たり前で,精神的かつ金銭的にもかなりの負担となります.

しかし,芝浦工業大学の国際プログラムでは,休学することなく,金銭的にもフォローがあり,加えて,海外の専門科目を取得する高度な授業を受け,周りの学生と同じように卒業することができます.理系単科大学なので,全てが理系のために考えられたシステムになっています.理系だけど留学をしたいと考えている高校生は,志望校の一つに考えるのはありではないでしょうか.

国際プログラムとは

芝浦工業大学のシステム理工学部全5学科に設けられており,定員は各学科の1割とされています.入学後の募集に応じて選抜(TOEICの点数等)を行い,国際プログラム生となることができます.また,学費は,同学科の学生と同じです.主な特徴は下記の5つです.

  1. 英語で開講されている講義のうち32単位以上を履修
  2. 1.に記載の32単位のうち,9単位以上を海外の大学で履修する1セメスター留学
  3. 卒業研究を英語で実施し,英語で卒業発表
  4. 英語にて卒業論文の執筆

これらの条件が,通常の学生の卒業要件に加わります.やはり,目玉は1セメスター留学でしょう.国際プログラムの学生は,3年後期に必修科目はありません.一般の学生が必修になっていて,国際プログラムが必修じゃないという科目もあります.学科によってまちまちですが,自分の学科の場合は,国際プログラムの学生のために,実験科目が早い段階で行われ,3年の後期には実験科目がありませんでした.

つまり,留学での休学を心配する必要はありません.次に,心配になるのは金額だと思いますが,協定校間での交換留学なので,基本的に追加の学費がかかることはありません(欧米圏の一部の大学では学費が必要).また,奨学金もあるので資金もひどく心配する必要はないと思います.

筆者はコロナの影響もあり,2度留学を延期したため,3年の後期から1年研究活動をし,4年の後期で留学しました.

それでは,詳しく先に挙げた項目を深堀します.

履修授業(日本での)

全体の1/4を英語での履修をする必要があり,その中に,留学先での取得単位も含まれるので,おおよそ20単位弱を日本で開講される英語での専門科目を履修する必要があります.専門科目の場合,全てではないですが,日本語と英語の両方が開講されており,通常の学生もそのどちらかを選択することができます.評価方法は筆記もしくはグループワーク発表がほとんどです.一見難しそうですが,英語ということもあり,日本語の授業よりが評価基準が緩いと感じることもありました.そういった授業で,実際に留学生との交流もあり友達も作ることができます.実際自分は,ある授業で,オランダ人と仲良くなり,デンマークに実際留学した際には,3日ほど,彼の家族のお家に泊めさせて頂き,今でも交流が続いてます.

その他にも,長期休みに開催されるPBLのような,現地の課題を現地の大学生と日本人とで解決策を提案する体験プログラムが単位認定されたりすることもあります.自分の場合は,PBLは参加できませんでしたが,1年生の際に必修科目で,ベトナムに行き,現地の学生と プログラム言語を用いてARDUINO を実装するようなプログラムに参加しました.また,コロナ渦では,スラバヤ工科大学(インドネシア)の流体力学をオンラインでとったりと,ただ英語の授業を受けるといったものだけではなく,バラエティに富んだ履修プログラムを組むことができると思います.そして,実際に短期プログラムに参加する場合でも,給付の奨学金が降りるので,バイトで十分に賄える金額だと思います.

履修授業(国外での)

残りの9単位を,現地の留学先に赴き,単位を履修する必要があります.他大学でも同様ですが,早い段階で行きたい大学を選び,最初に学内選考をした後,協定校への申し込みを進めます.その際,学内選考では,成績も加味されるでしょうし,協定校先も英語の基準を求めているところが多いので注意が必要です.他大学の留学システムを知らないですが,メリットとしては,芝浦の場合,理系単科大学なので学内選考で戦う相手は,同じ理系学生です.そのため,英語の競争率といった面ではかなりハードルが下がります.そして,協定校も総合大学から工科大学といった理系に特化した大学まで,理系のための協定校が揃っています.そして,色々手続きには時間がかかるので,早い段階で情報収集をして動くことをお勧めします.

自分の場合は,アメリカの Rowan University に行く予定で,残りはビザを取るところまで準備を進めていましたが,コロナの影響を受けデンマークの University of Southern Denmark に変更しました.自分にとってはかなり刺激的で,また,デンマークという環境が大きく自分の考え方を変えてくれたと実感してます.

基本的に履修したい科目は自由ですが,認定されることを考慮して履修登録してください.実際に,出国する前に,自分の履修科目が,単位認定されるかの確認を教員に確認した方が良いと思います.自分の場合は,反応工学,化学工学,分子生物学,R言語をつかった統計学,経済学といったものでした.単位を落として帰ってくると,純粋に卒業できないので,多めに履修してください.ちなみに,自分は経済学落としましたw.デンマークは口頭試問のテストの割合がかなり多く,経済学は全くわからず撃沈しました.ですが ,成績を芝浦に提出する際は,反映されてなかったのでバレていないと思いますw.

おそらく,多くの高校生や親御さんが気になる点としては費用だと思います.芝浦には,留学する学生に対して,奨学金を給付制度もありますし,そのほかにも多くの団体が,給付の奨学金を準備していますので,確認してみてください.筆者は,業務スーパー様から毎月15万頂き,留学に参加しました.

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研究期間(卒業発表,卒業論文)

通常であれば,留学前 (3年夏頃) に研究配属先を決定し,留学帰国後(4年前期)に卒業研究を1年かけて取り組みます.その後,卒業直前の1月末から2月に,卒業発表と論文提出をすることが求められます.その際,国際プログラムの学生は,英語での卒業発表と論文提出が必須となります.

研究期間の生活は,配属先のボスの裁量が全てなので,研究室によって大きく異なります.オススメとしては,英語を使うことに抵抗がない先生を選ぶことも重要だと思います.大学教員で英語を使えない人いるの?と感じるかもしれませんが,意外といらっしゃいます.おそらく,日本の国立,私立共通の問題だと思います.自分の教授は,旧帝大出身かつ教員の経験があり(多くの日本人,海外の学生を見てきている),海外でポスドクをされていました.それが研究室選択理由の一つでもありましたし,何より,先生の人柄が最高にかっこいい方でした.教授の提案で,2週間に1回の進捗報告は,英語で教授と議論していました.その経験が実は自分にとってかなり有益で,留学出発前にプレゼン力が鍛えられたため,現地での発表も抵抗なく終えることができました.加えて,芝浦での中間発表や卒業発表も苦ではありませんでした.

卒業発表,または,中間発表は学科によって方法が異なります.中間発表は対面だけ,ポスター発表だけ,全体ではなく研究室単位での発表だったりと年度によってもまちまちです.多くの学生は,英語での発表に抵抗があるかもしれませんが,正直発表は,最悪丸暗記すればできるので,難しくはないです.自分は,繋ぎの英語のレパートリーをたくさん覚えてそれとなく発表しました.問題は質疑応答で,ここで英語力が顕著に出ると思います.自分の学科には,海外出身の教員がいらっしゃったので,その先生と日本人の教授から質問を頂きました.デンマークの大学でディスカッションや口頭試問,そして,芝浦の研究室での進捗報告でだいぶ鍛えられていたので,問題なく終了しました.

個人的に一番苦労したのは,卒業論文でした.なぜなら,これまで本気で,アカデミックの英語に触れたことがなかったからです.日本でもデンマークでもレポート数枚なら書いたことがありましたが,いずれも,英文法のフィードバックをもらう機会がありませんでした.そして,作文やレポートとは大きく異なる点として,ジャーナルを見ていただくとわかるのですが,論文独特の言い回しや書き方があります.また,それは学域によっても異なると思います.自分は,生物の中でもオンコロジー系の論文を沢山読み参考にしました.何度も,指導教員の指摘や訂正が入り,かなり書き直したと思います.卒業すると学位記とは別にもう一冊頂けるのですが,それを手にしたときはガチで感動しましたw

最後に

高校生の中には,一度は留学してみたいと考えている学生も少なからずいると思います.留学したいから,芝浦(国際プログラム)を志望校にするのは賛成しませんが,もし,やりたい研究や学びたい分野が一致し,その延長線で何か他学生と差をつけたかったり,留学をしたいのであれば賛成です.是非,参考にしてみたください.

実際,先に挙げた全ての条件をクリアして卒業するのは結構ハードでした.通常の学生より早くかつ多く授業を履修しましたし,いくらサポートがあるといっても,留学準備を進めるのは自分です.また,それに加えて就活や,筆者のように外部の院進をするとなるとかなりヘビーです.筆者もコロナと相まって,何度も辞めようよ考えてましたし,実際多くの学生が脱落していきました.しかし,もし迷っている人がいれば是非挑戦して頂きたいです.なぜなら,「理系で専門科目を海外で履修し,英語で卒業発表と卒業論文を執筆した学生」って日本に何人います?っていうことです.また,留学先での苦労や成功体験が間違いなく今に生きてますし,それは留学した人にしかわからないものです.

最後まで読んでいただきありがとうございます.もし,さらに興味をもった場合はホームページのシステム理工学部のシラバスに国際プログラムについて詳しく書いてあるので,参照してみたください.

Gullfoss
理系大学院生です!! デンマークに交換留学をしました.多くの学生に,理系学生,留学などの情報を発信していきます.

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